山形県で今年59年目となる食品メーカー、ニッスイグループ企業・モガミフーズ(以下、モガミフーズ)。多くの中小企業と同様に、採用活動の難しさに直面していた同社が、2024年末に取り組んだのが「ホームページの刷新」でした。

2025年現在、採用応募数は前年の3倍以上に。数字の裏には、社内の空気や働く人々の意識の変化がありました。
今回は梅田社長に、当時の意思決定から社内の反応までを伺いました。
「採用が動き出した」実感が数字に現れた
「昨年は、二次面接まで進んだ応募者が2人だったんです。今年はすでに7名が面接に来てくれていて、そのうちほとんどが『ホームページを見て応募した』と。これまでにない反応でした」

そう語る梅田社長は、ホームページが担う「採用の入り口」としての役割を強く意識していたといいます。企画のきっかけは、同席していた田中前社長がかねてより感じていた課題意識でした。
「前のホームページは、正直なところ“誰のために作っているのか”が不明確でした。情報はあるけれど、想いや人柄が伝わらない。『これではもったいない』という気持ちがずっとありました」(田中氏)
「社員の声」が言葉になって、かたちになった
刷新プロジェクトの中では、社内アンケートを実施し、社員からの生の声を反映。
「モガミフーズがどんな会社か」を伝えるメッセージや採用ページの文章には、現場社員の言葉が随所に散りばめられています。
当時掲示されたポスター

「現場に近い社員も、ちゃんと考えてくれていると感じられたのが嬉しかったです。トップダウンではなく、“みんなで伝える”という意識が生まれたと思います」(梅田社長)
※実際の回答一部(これを踏まえ、HPへ反映)

社内での“変化”が起き始めた
「正社員70人のうち、少なくとも1回は全員が新しいHPを見てくれたと思います。月1の定例会議でも、内容を紹介しましたし、個別にも話題にしていました」
特に印象的だったのは、「うちの会社、こんなにいろんなことしていたんですね」と、ある社員が話してくれたこと。
「普段の仕事に集中していると、会社全体のことって意外と知られていないんですよね。それが“外に出す言葉”を通じて、逆に社内に伝わる。そこは想定外の良い効果でした」(梅田社長)
「伝える」ことの本当の意味に気づいた
「採用は単なる人事活動じゃない。私たちがどんな会社で、どんな価値を大切にしているのかを“言葉にして届ける”ことが重要なんだと気づかされました」
実際、応募者との面接でも「ホームページでこういう考え方に共感しました」といった話が出るようになり、より“人となり”を掘り下げた面談ができるようになったといいます。
編集部あとがき
「伝える力」が、応募者の行動を変え、社内の空気をも変えていく——。モガミフーズが取り組んだWebリニューアルは、単なるデザインの刷新ではなく、“採用と組織文化”を同時に育てる変化の第一歩でした。
次回の後編では、この取り組みをどう今後に活かすのか、展望を深掘りします。


